適性検査がない企業はブラックなのか?

どのような企業でも、就職活動のファーストコンタクトは会社説明ですが、そのあとの工程は企業により異なります。特に筆記試験と適性検査に関しては、それ自体が存在せず、すぐに面接に入る企業もあります。

規模が大きな企業ですと、ほぼ漏れなく筆記試験と適性検査がありますが、ベンチャー企業をはじめとする設立から日が浅い企業では、これらが存在しない傾向にあります

適性検査はいつ行う?

適性検査を行うタイミングは企業により異なります。

会社説明会の後筆記試験とセットで行うことが多いと思いますが、中には一次面接と二次面接の間で行うケースもあります。

ベンチャー企業では適性検査を行わないことも

私が人事をしている会社は規模的に「ベンチャー企業」に分類されますが、わが社ではどうかというと、適性検査は行っていません。すべてを調べたわけではありませんが、同程度の規模の会社では適性検査など行わないと思います。

「適性検査がないからブラックだ」と考えてしまう学生も少なくないので、この誤解は解いておきたいと思います。

適性検査を行わない理由

ではなぜ適性検査を行わないのでしょうか?

いくつかの理由をお話ししておきます。

採用人数が少ない

理由はいくつかあるかもしれませんが、私が考える最も大きな理由はこれです。

わが社では毎年の新卒採用の人数は10人~15人ですが、この程度の人数であればじっくり面接をしながら1人1人と向き合って面接を行うことができるので、適性検査に頼らなくとも会社や仕事への「適性」を見抜くことは難しくありません。

また、小さい組織では社員全員が同じ傾向である必要はないため、採用する学生のタイプも多岐にわたることが多いです。例えば、自分で行動できる学生は注目を集めやすく多くの企業で人気ですが、このような学生だけではまとまりに欠けるかもしれません。正しい方法を愚直にやり続けるのも能力です。

そうなると、学生のタイプわけなどあまり気にする必要がありません。

費用がかかる

適性検査がない会社が「ブラック」だと解釈されやすい理由はこの費用に関することだと思います。使用するテストや導入する数によって差がありますので具体的な金額は避けますが、SPIや玉手箱に代表される筆記試験や適性検査を行うにはそれなりに費用がかかります。

採用にかけるべき費用をケチっている=社員を大切にしない会社だ=つまりブラックな会社だ

という考えに至っているのだと思います。

実際に「採用にそれだけの費用かけられない会社はブラックだ」という無責任な発言もネットでは見られますが、個人的にはこれらの試験は採用を効率化するだけに存在するものだと考えています。

つまり、採用人数が多かったり、採用担当の手が足りないといった状況で、企業が欲しい人材を効率よく面接したいから行っているのだと推測します。

どこまで正確なのか

さらに言うと、適性検査の精度はそこまで高くはないと考えます。

素直に検査を受ける学生ばかりであればかなりの精度なのでしょうが、それなりに対策が可能であることを考えると、適性検査が優秀な学生を採用するためにどこまで寄与しているのかはわかりません。

そのうち攻略法も教えようとおもいますが、性格検査・適性検査の類は攻略法があります。しかも、特に対策をせず自然に受けた場合でもその精度は100パーセントには程遠い数字ですので、面接を受けても適性検査の結果に引っ張られてしまうことが考えられます。

適性検査の結果「広く興味があるが物事の継続は苦手」と出てしまったら、本当は違っていたとしてもそのような色眼鏡で見られてしまいます。間違った結果が出る可能性があるなら、適性検査などしない方が良いと思うのですがいかがでしょうか?

結局適性検査のない会社ブラックなのか

結論から申し上げれば、適性検査のあるなしだけでブラック企業かを判断するとよい企業と出会うチャンスを狭めてしまうと思います。

しかし、「適性検査がない理由」を人事がきちんと話せるかは確認しておきましょう。

導入していないはっきりした理由がある

私はこれはホワイトの証だと思うのですが、適性検査を導入していないはっきりとした理由がある会社はそれはそれで良いと思います。

ブラック企業かどうかの判断は、残業時間や有給休暇の取得率を見た方がはっきりわかりますし、何かを隠している雰囲気がある方がよほどブラック企業なんじゃないかと思います。

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