「就職先は複数の内定から選びたい」本音を面接でいうデメリット

2019年、2020年度の新卒採用を行っていてつくづく売手市場だということを感じる場面は多いのですが、「学生の希望」からも売手市場が見えてきます。

ここ2年で特に多いのが「複数の内定から就職先を選びたい」という考えです。

学生の立場で考えれば気持ちは分からなくはありませんし、昔からある考えであることは間違いありませんが、これを堂々と面接で口にだしてしまう学生がここ2年程で増えている印象です。

新卒採用に携わる身として、学生さんには納得のいく形で入社してほしいと考えているのでこの状況がおかしいとは思いませんが、これを堂々と口にしてしまうのはメリットよりデメリットの方が大きいのではないかと思います。

「持っている内定から選びたい」という回答

先に申し上げておきますが「複数の企業から内定をもらい、その中から就職先を選びたい」という考え自体に問題はありません。

むしろ、この記事を執筆している2020年度採用の段階ではまだまだ売手市場の状況ですので、その状況を作り出す難易度は下がっていますし、新卒でおかしな会社に入るリスクを減らすためにもそこを目指すべきだと思います。

つまり、内定がもらえた唯一の企業を選択せざるをえなかったというリスクをわざわざ取る必要はないのです。

面接で話すのは論外

ただ、それを面接で採用担当に話してしまうのは問題だと思います。

学生側も信用していない採用担当にこのような話はしないでしょうが、理想はどんなに信頼をしている採用担当であったとしても話すべきではありません。

就職活動ではは駆け引きが多分に行われています。「複数の内定から選びたい」という発言は、多くの場合「上から目線」ととらえられてしまい、面接や内定後の評価に大きく影響してしまう可能性があります。素で話すことが必ずしも良い評価につながるわけではないことを自覚しましょう。

就職しない会社ならよいのでは?

確かに内定を承諾しない会社に関しては答え方などどうでもよいかもしれません。

ただ、1%でも就職する可能性が残っているのであれば、わざわざ「内定をもらった企業の中選びたい」などと発言する必要はありません。

中途採用の場合はどうか

実は同じ状況は中途採用でも考えられます。

中途採用でも複数の企業の採用試験を受けているのは当然で、新卒の就職活動のように時期が決まっていない分、競合する他社の内定の状況がどうなっているかを読みにくい傾向にあります。

ただ、それぞれの会社が内定を出す時期が大きく異なるため、状況的に複数の内定の中から選べなかったり、1社しか採用試験を受けていないことも多々ありますが、もし複数の内定を比べて決めたいと考えていても、別の理由でごまかす方の方が圧倒的に多いでしょう。

就職したときに自分の印象が悪くなる可能性が高いとわかっているからです。

中途採用の面接では他社の内定の状況を詳しく伺うことが多いので、例外も多々あるのですが…

まとめ

学生にとって就職活動は肉体的にも精神的にも負担がかかります。そのため、ふと緊張をほぐしても良い雰囲気になったときに本音が出てしまうのでしょう。

新卒の採用担当は学生ひとりひとりをよく見ているので、コミニケーションの取り方もやや近くなり、距離が近い分信頼感を感じるのかもしれません。

信頼できる人には自分の本音をさらけ出したいと思う気持ちはよくわかりますが、入社するまでが就職活動だと思って気を抜かないようにしましょう。

「帰るまでが遠足」的なやつですね。

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