就職活動中の学生なら「面接でしてはいけない質問がある」ことくらいは理解しているよね?
簡単に言ってしまえば、原則自分の印象が悪くなる質問は避けた方が無難とうこと。
最近企業説明会や面接で質問を求めると、弱みを教えてくれという質問をもらうんだけど、今日はこのことについて考察していきましょう。
最近高い確率で聞かれる「御社の弱点を教えてください」
会社説明会では、一通りの説明やワークショップが終わると質問を募集します。
「逆質問」と呼ばれるものですが、面接でも説明会でも「何か質問はありますか?」はもはや定番だと思います。
以前はあまり聞かれることがなかったのですが、最近目立ってきた質問の中がこれです。
「御社の良いところは説明会で理解できました。失礼かもしれませんが逆に弱点というか弱みを知りたいのですが教えていただけないでしょうか」
個人的にはそれを知ってどうするのだろうか思いますが、聞かれる回数が多くなったことから考えると、何かの模範質問集みたいなものにも出ているのかもしれません。
何故この質問がいけないか
「説明会でわざわざ弱点を言う企業は少ないから説明とは被らないし、どの企業にも弱みはあるのだから問題ないのでは?」と思う学生さんもいらっしゃるかもしれませんが、それは思慮が浅いと言わざるを得ません。
質問の意図がはっきりしない
そもそも質問の意図がはっきりしません。もし本当に弱みを知りたいのであれば、その理由くらいは前置きとしてあってもいいのではないかと思います。「失礼にあたる」と認識しながら、そのリスクを犯してまでする質問ではありません。
聞いてもほぼ意味がない
仮になんらかの理由で本当に弱みを知りたかったとしても、本当の弱みを包み隠さず語られる可能性は非常に低いのです。
例えば社内に気難しい社員が多くて毎年8割の社員が退職している会社があるとします。
弱みとして人事担当者がこの内容に触れるかも怪しいですが、このことに触れるとしたらおそらくこう答えるでしょう。
「どの企業でもそうですが若い社員の離職率が少し高めかもしれません。これから新人研修などを増やしてより働きやすい環境を作っていく予定です。将来は自社社員が転職する際に『この会社にいたのなら大丈夫』と思ってもらえるような会社にしたいと考えています」
文字にすると粗に気づくかもしれませんが、あたかも「近いうちに克服できる」という回答が帰ってくると思います。
質問する程に印象が悪くなる
そこで「離職率が高めって何パーセントなんですか?」「業界標準からみて明らかに高くないですか?」「その研修っていつから始める予定なんですか?」「カリキュラムとかどうなってるんですか?」
と踏み込める勇気があればいいかもしれませんが、そこまでの知識がある学生は稀ですし、踏み込む程にケンカを売っている印象になってしまうので、内定からは遠ざかります。
「どうしても我が社へ」くらいの熱烈なラブコールがあるなら条件を詰める段階で聞いても良いと思いますが、基本は踏み込んではいけない領域であることは明らかです。
そこへ踏み込んでも「よく調べたねぇ!その通りなんだ。打開するいい方法はないかな?」などと建設的な話になることはなく、できる学生アピールにもなりません。
むしろ踏み込むほどに空気が読めないケンカ腰の学生の印象になってしまいますし、かといってそのまま「ありがとうございました。」では浅い印象しか残りません。
本当に弱みを知りたい時はどうすればいいか?
本当に会社の弱みを知りたかったり、強みと弱みを両方知って内定をもらった会社からえらびたいと考えているのだとしたら、質問の仕方を変えてみよう。
「御社の◯◯が弱点だと思うがどう克服する予定なのか聞ける範囲で戦略を聞きたい。」
というように、自分で調べてきたアピールをしながら、御社に興味があると訴えかけるくらいの工夫は欲しい。もちろん企業研究の成果と組み合わせるとしても、謙虚な姿勢であるべきだと思います。